川村 みきをのメモ帳

日々のアウトプットをメモっています。

MAさんとわたしの共通点CR045

「あの娘、使えないわ~」が口癖だった元sbccのクリエイターのMAさん。


生き延びる為に必要な費用を得る手段であったはずのハンバーガーチェーンの作業がいつの間にか、その作業をする為に、今日を生き延びているということに…

手段が目的となってしまった上に、せっかくそのループから抜け出せても新しい環境への適応力を失っていた為に、他人や新しい環境の文句ばかりが並ぶ。


そして最も致命的だったのが、クリエイティブな仕事に欠かせないはずの、【知性】と【感受性】を失ったということ。


その結果、口癖になっていた「あの娘、使えないわ~」の言葉の真意は、『私、もう使えないわ~』だったのだ。


MAさんの実体が見えたこの日、わたしは言いようの無い疲労感を感じながらどこかでわたし自身に重ねていた。


わたし自身、関西から東京に出てきて、やりたかった旅行の仕事に就いたのだが、いつの頃からだろか、多忙な毎日を繰り返していてもまったく充実感というものを感じなくなっていた。


そしてその答えがやっと分かったと思った。


それが旅行の仕事に就いた動機が、MAさんと変わらないなぁと思ったからだ。

それは、MAさんがハンバーガーチェーンでアルバイトをした動機は、

 「何も考えなくていい」
 「マニュアルに従うだけで楽」
 「時間の融通が利く」
 「住んで居る所から近い」

だったが、

わたしが派遣で旅行の添乗員を始めた動機も、

 「無料で旅行が出来て更にお金が入る」
 「旅行(添乗)中は一人で気楽でいい」
 「いろいろ行けるので気分転換になる」
 「旅行先の美味しい食べ物を食べれる」

だった。


今考えてみるとほとんど同じだ。

つまり、MAさんもわたしも完全に『自分自身の都合だけ』で働く場所を選んでいる。


こうやって選んだ仕事は、確かに『自分にとって都合がいい』、しかし自分にとって都合がいいのと、自分自身を成長させるということは、実は大きく反比例している。


MAさんは18年間という期間、『自分にとって都合がいい』という動機で選んだ職での作業を繰り返してきた。その結果は既にお話した通りだ。

そしてわたしはこの派遣の旅行の添乗員という職を1994年12月に上京して、その後の1995年夏頃から1996年12月までの約1年半続けた。


この間は派遣の旅行添乗員だけでは食っていけないからカラオケボックスでアルバイトの職を選びそこで作業した。


それもときどき大学に通いながら(笑)


カラオケボックスのアルバイトの職も『自分にとって都合がいい』という動機だけで選んだ。その都合は、

 「楽しそう」
 「時給がいい」
 「同年代が多い」
 「女の子が多そう」
 「考えなくてよさそう」

だった。

その為MAさんがハンバーガーチェーンのアルバイトを選んだ動機を聞いた時、わたしはしっかり理解出来た。


自分自身も同じだったから。


『自分にとって都合がいい』という動機で始めたアルバイトはわたしにとっては、最初はとても楽で楽しくてそれでお金をもらえて何て幸せなんだろう!と思った。まさに『自分にとって都合がいい』職そのものだったのだ。

これはMAさんも同じような事を言っていたので多分…、
『自分にとって都合がいい』だろうという予測が大きく外れなければ、それは、楽で楽しくてそれでお金をもらえて、何て幸せなんだろう!と感じるのだろう。


言わば、[ want to ]の状態だ。


そういった感情でいるときは、一緒に働いている人達もとてもいい人達に思える。何故なら自身の感情が満たされ幸せを感じているから、幸せな感情というフィルターを通して世界を見ているから。


MAさんもわたしもこの点では同じだった。
他の当時のsbccのクリエイターにもこの話をしたらほぼ全てのクリエイターが同じような事を言っていた。


「最初は楽で楽しい!って思うんだよね…でもそんな環境って直ぐに慣れるというか、飽きちゃうというか…このままだとダメになっちゃうって思うんだ。」


これは他のsbccクリエイターが言ってた事だ。


わたしもこの意見には同感だ。

実際、わたしは派遣の旅行添乗員の職とカラオケボックスのアルバイトの職も1年で慣れてソツなくこなせるようになり、そして飽きた。


これは、MAさんも言っていた。

「何も考えなくていい」や、「マニュアルに従うだけで楽」や、「時間の融通が利く」のは最初の1年位で、昇格したらいろいろ覚えなきゃいけない事があるし、勝手に責任を押し付けられるからなんか違うと。


確かに『自分にとって都合がいい』という動機だけでは長続きはしない。

何故なら『自分にとって都合がいい』という動機、これは違った解釈も出来るからだ。


それは…

ハンバーガーチェーンで働くGOALが、派遣で旅行の添乗員で働くGOALが、カラオケボックスで働くGOALが、

『自分の都合を満たす為』だから、

働き始めたその時点で、自分の都合が満たされれば、それでGOALが達成された事になるからだ。

GOALに辿り着いたランナーはそれ以上、走ることを続けない。


そしてそこからの時間はその職自体が、楽しませてくれたら「楽しい」と感じ、継続できるか、あるいはその職自体が、楽でお金を受け取れたら「楽」と感じ、「楽」と感じているので継続も「楽」だ。


でも、そんな状況はもって1年だろう。


何故なら人は飽きる動物だからだ。

また、飽きる前でも、必ずそんな状況は他の何かによって必ずと言っていいほどぶち壊される。


そしてそこから待っている日々は、[ have to ]な日々だ。