川村 みきをのメモ帳

日々のアウトプットをメモっています。

果て無き夢の跡CR051

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MAさんやわたしのケースはこの時代では、他人事ではないだろう。


ここまでのお話でMAさんがアルバイトを続けた事で【感受性】や【知性】を失い、残った【反応性】だけで生きていく事になった。

わたし みきをさんはどう感じただろう?


可哀想な人生だなって思ったかもしれない。

もしかしたらこのままだと、あなたもMAさんと同じコースを進んで行くかもしれないと不安に感じたかもしれない。

 

実際、当時のsbccのクリエイターの多くはそんな風な事を言っていた。

その視点も分かる。


でも、わたしは少し違った視点で見ている。それは、MAさんは歯を食いしばって、ハンバーガーショップでの単調な作業を18年間216ヶ月も継続し続けてきた。

そして、言葉には表さなかったが、イラストを描いてちゃんと飯が食える、本当のフリーのイラストレーターとして、いつの日か独り立ちする...そんな日をずっと夢見ていたのではないだろうか?


果て無きその夢の為にMAさんは、20代30代という貴重な人生の時間をファーストフード業界の発展の為に捧げてきたというのか?


だとしたら余りにも残酷すぎるだろう。


MAさんだけじゃない、この[ CR ]の最初の頃に話した、わたしが携帯をiPhoneに変えた時、電話番号変更しましたと出した一斉通知を見て保険の勧誘をしてきたTさんや、9月2日のコミティアで偶然再会したBさんなどsbccに少しでも関わった人達の夢の跡を見ていて痛感することがある。


それはMAさんもTさんもBさんも皆、この社会の渦に巻き込まれて指針を見失ってしまった人達であるということ。


そしてMAさんやTさんやBさんだけじゃなく、2009年にsbccを始めた頃にいたメンバー全員、だれもが社会の渦に巻き込まれて指針を見失った人達だったということだ。


それはわたしも例外じゃない。2007年に勤めていた会社が崩壊して、仕方なく独立して一時は順調だったが、それも泡のごとく消えていき、そこからsbccを始めるその時までは本当に辛く厳しい日々が続いていた。他のメンバーも似たような境遇だった。

会社を解雇されたり、勤めていた会社が倒産してニッチもサッチもいかない状態だったりとそんな状態からみんなで、sbccを始めたのだ。


そしてあれから4年…


当初のsbccのメンバーは6人全員がそれぞれの生きがい生きる道を見つけ歩み続けている。


どうしてそうなったかはいろいろと、要因が考えられるが最も大きい要因はみんな個性が強かったということだ。


その強すぎる個性ゆえに日本の会社の中での雇用というシステムに収まりきることが出来なかったのだ。


日本の会社での雇用というシステムでは、個性が嫌われている。

一定の組織の決められた役割に従って行動をしなければ、異端児と考えられる。

集団から孤立することもある。

経営者の中には企業が生き残っていくには、同じような人ばかりではダメで個性的な人が必要だと考える経営者もいるが、実際は、
個性的な人間は異端児だからその個性を企業の中で生かすことは出来ない。


企業組織の規則や慣習にそった動きが会社の中での雇用には求められる。
それは正社員もアルバイトも同じだ。


したがって、個性的な人はそういった会社の雇用システムの歯車にはなれない。

個性的な人は言い換えれば、創造的な人とも言えるだろう。


創造的な人は会社の雇用システムの歯車には組み込めない、だから組織の中では、責任と権限を持った地位にはなかなかつく事ができない。

その結果、創造的な人間はその創造力を発揮する機会がなく永遠に末端での労働を強いられていく。


その時間が長くなればなるほど、既にお話したとおり心が色褪せていき、創造力の源になる【感受性】や【知性】が枯渇していく。


それならば独立企業すればいいのだが、それだけの活力や資金や専門知識やノウハウを持っている人ならいけるが、ほとんどの人はそうではないだろう。


そうしてその強すぎる個性ゆえに会社の雇用システムの歯車に組み込まれずに末端の労働を続けていく事に疲れて、社会からドロップアウトした個性的(創造的)な人は、否応無く、『社会不適合者』というレッテルを貼られてしまう。


そうあの会社の組織風土に合わないという理由から一度は会社を解雇されたiPhoneを創ったスティーブ・ジョブズや、大学に居ても意味を感じられないと、ハーバード大学を中退してFacebookを創って3400億円の資産を25歳で得たマーク・ザッカーバーグみたいに『社会不適合者』というレッテルを貼られてしまうのだ。