個性的であることは?CR053
個性的であることは、創造的であると言い換えていい。
そして個性的な人間は日本の会社の雇用システムの歯車には組み込めない。
何故なら日本の会社のモットーは、『前へ習え』が根底にあるから。
これは前に居る人、つまり仕事場での先輩や上司に習えという意味だ。
それは小学校の時から何年もかけてわたし達の中に組み込まれてきた。
小学校の朝礼や体育の時間には、必ずこの『前へ習え』がある。
こういった習慣を身につけさせられて、わたし達は育った。
そして社会に出て会社に入っても、『前へ習え』が根底に根付いていて、先輩や上司に習わなければならない。
つまり、会社に入ることは、それが正社員でもアルバイトでも、『前に習う』ことなんだ。
だから先輩や上司のやり方や手法ではない独自の創造的な手法で何かをする人間は『前に習わない奴=異端児』として捉えられてしまう。
異端児の仕事の成果を計るモノサシは組織にはない。
組織にあるのは決められた職務通りに忠実に実行して成果をあげたかどうかだ。
だから、個性的な人は組織の中では、責任と権限を持った地位にはなかなか就くことができない。
ゆえに、個性的な人間はその個性である創造力を発揮する機会がなく永遠に末端での労働を強いられていく。
末端の労働は一番単調でキツイ。
肉体的にキツイものもあれば、精神的にキツイものも多い。
そんな労働を個性的な人がやり続ければ、やがて創造力の源になる【感受性】や【知性】が枯渇していくことになる。
そして出来上がるのは、【感受性】や【知性】のカケラもないただ【反応性】だけで生きてる人だ。
こんな事を言っていると、また誰かにブチ切れられそうだ。
と、いうかsbccがスタートした時、わたし自身がこの会社の雇用システムで、【感受性】や【知性】をやられてしまい、ただ【反応性】だけで生きてる人になってしまったと明かしてそうなってしまう原因について批判したら、ブチ切れられた。
『そんなこと言ったって私は独立起業する方法も知らないし、資金も専門知識もノウハウも持ってないから家賃を払うには、生きていくにはバイトでも何でもして、働かなきゃダメなんです。』
『iPhoneを創ったスティーブ・ジョブズやFacebookを創って3400億円の資産を25歳で得たマーク・ザッカーバーグが社会不適合者のレッテルを貼られても、そんな凄い人達とわたしを重ねるなんて到底出来ません。』
『わたしさんはベンチャー企業の立ち上げやWEBの制作会社で企画やったりした経験がお有りでしょうけど、私は26歳までずっとアルバイトしてただけなんですよそんな私に何が出来るって言うんですか!?馬鹿にしないでください。』
『夢みたいな事ばかり言わないでください。せっかく今のアルバイト先で思考停止状態で手足だけを動かして何も考えないように出来るようになったのにまたいろいろ考えちゃうじゃないですか!いい加減にしてください。』
『私はsbccという名刺の制作の仕事のお話をしに来たのに、何でそんなお話に付き合わないといけないんですか?』
『そんなお話はどうでもいいですから、早く仕事の話をしてください。納期はいつですか?ギャラは幾らですか?』
これらのクレームは実際にわたしたちがsbccを始める時にわたしが天野さんという方から受けたクレームだ。
わかっただろうか?
天野さんはわたしの話に強烈に反応しているということを。
だから強烈に批判しているのだ。
それは天野さんの中で一番触れたくない、触れられたくない部分だったからだ。
だけどそんな天野さんとは後に一緒にsbccをやっていく事になるのだ。