川村 みきをのメモ帳

日々のアウトプットをメモっています。

異文化コミュニケーションCR080

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親に先生に会社に豊かな社会の環境に国に
依存しきった価値観でこれまでを組み立て
てきた【井の中の蛙】だったということを
痛感したわたしは【依存しきった価値観】を
打ち壊す為に渡米したが、すぐに強制送還
されてしまう。

それでも、そのままこの先ずっと逃げ続け
てLoser(負け犬)として生きていく道を
選択したくなかったわたしは再度渡米する。

新しい行き先はアメリカのテキサス州
キングスビルという片田舎の街にある大学。


そこで出会ったのはバングラデシュという
国からきたムハタグさんというわたしと同じ
年齢の青年。

1日の生活費が2ドル(約240円)という国
で暮らしてきた彼はアメリテキサス州
物価では一日一食がギリギリでその他は
食パンと水で過ごし、筆記具も書いている
途中でインクが出なくなるような粗悪な
ペンや薄いザラザラのノートを紙袋に入れ
て、衣類もほとんど無い状態。

睡眠時間も一日3時間~4時間だった彼は、
国の為に村の為に必死で勉強をしていた。


そしてその成果はみるみる形になって
現れていった。

3ヶ月も経ったころには彼の英語力は
わたしを遥かにしのぐほどになっていた。


それでもムハタグさんはちゃんとわたしに
接してくれていた。

ムハタグさんは日本の農業というものに
とても興味を持っていた。

そしてアメリカの図書館で調べられる
日本の文化についていろいろ調べていた。

ムハタグさんは日本には一度も行った事は
無かったが、本で調べられる知識は既に
わたしを上回っていた。

そしていろいろとわたしに聞いてきてくれる
んだけど、わたしはいつも答えに困った。

そんな質問は今まで受けたことが無かった。
だけどわたしは必死になって考えて答えた。

何か分からないけど、この時のわたしには
もの凄い焦燥感があったからだ。

それはわたしの【依存しきった価値観】では
何一つまともに答えることが出来なかった
からだ。

ムハタグさんのように同じ年齢で、国を
村を背負ってアメリカに渡米して命がけ
で英語を農業を学ぼうとしている人間と
わたしのように人生の方向性を見失っている
人間では、対等に会話をすることそのもの
がなんていうか苦しい。

相手の情熱や志や信念に触れれば触れる
ほどにその熱気や魂にこちらが焦げ付き
そうになる。


それでも全く嫌な感情は無かった。


それは純粋すぎる程のムハタグさんの
信念にわたしはどうしても答えたいと
思ったからだ。

だけどその時のわたしのスキルや実力では
ムハタグさんの期待に答えることなんて
到底出来なかった。

あまりにも世界の事、日本の事、そして、
自分自身の事を知らなすぎたのだ。

それでも、まともにコミュニケーションを
取れるようになる為に、相手の国の文化を
相手の事を理解しようと努力した。


『英語を学習する前にまずは相手の事や
相手の国を知りそして興味を持つことだ』

『英語というのはそれを伝える手段だ』


わたしはそう考えて、様々な人種の中に飛び
込んだ。

大学のカフェテリアで積極的に見ず知らず
の人の隣の席に座り、必死で片言の英語で
話しかけた。


『Where are you from ?』
(どこから来たのですか?)


と聞きまくった。


そして、アメリカ人、中国人、韓国人、
マレーシア人、スペイン人、アラビア人、
イタリア人、オーストリア人、台湾人、
フランス人など様々な国の人と友達に
なった。


もちろん共通の言語は英語だがわたしの英語
の能力ではまともに会話が出来ない。

それでも何とか喰らいつき、
コミュニケーションを取っていった。

そしてそのコミュニケーションのほぼ
全てが相手からの【質問】だった。

きっと最初は「うっとおしい奴だな」
と思われたことだろう。

考えれば当然の事なんだが、
「どんな人間なのか分からない相手」
と仲良くなんて出来るはずもない。
そうなると最初は当然相手の事を探る。

だからわたしは【質問】攻めにあった。

みんなJapanという国の名前は知っている
が、それが地球のどこにあってどんな人種
で何を考えてどんな暮らしをしているかを
知らなかった。

だけどみんなJapanという国には多少なり
とも興味を持っていたみたいだ。

だから、いろいろ【質問】をしてくれた。

そしてわたしはその【質問】に答える為に、
朝も昼も夜も考え抜き、出した答えを英訳
して必死で伝えた。

何故なら、その【質問】が25年間今まで、
一度もされたことが無い深い【質問】
ばかりだったからだ。

そしてこの時に受けた数々の【質問】が
わたし自身のその後の人生に大きな影響を
及ぼすこととなる。

 

 

 

to be continued