川村 みきをのメモ帳

日々のアウトプットをメモっています。

ループから抜け出せたらその先にCR043

「あの娘、使えないわ~」が口癖だった元sbccのクリエイターのMAさんが、迷い込んだ永遠のループ。


生き延びる為に必要な費用を得る手段であったはずのハンバーガーチェーンでの作業をする為に生き延びるという永遠とも思えるループ。


この永遠とも思えるループをMAさんが抜け出せたキッカケは自身の運で巡り合ったsbccだった。


でも、せっかく巡り合ったsbccでの仕事もMAさんの身体に心に染み付いてしまったハンバーガーチェーンの習慣や価値観が邪魔をしてしまい、そして、18年に渡るハンバーガーチェーンでの繰り返しのループ生活がMAさんから、【知性】と【感受性】を奪っていた為に他者とのコミュニケーションも取れず、sbccが上手く出来なかった。


二人だけの話し合いが終わった後にMAさんに対してわたしが抱いた感情は最初とはまるで違っていた。


最初はイラストレーターとしての活動期間が長いから偉そうに人を使えるとか使えないとか言ってる嫌な奴だという感情を抱いたのだが、MAさんのお話を伺ってわたしにはもう同情しかなかった。

当初の自己紹介では、

「フリーのイラストレーターとして仕事をさせてもらっています。」

と言っていたが、その実は違っていた。

 

せっかく、自身の運でsbccに巡り合ったにも関わらず、sbccというチームで仕事を進めていくという価値も可能性も良さもそしてsbccというブランドやコンテンツ自体の価値が分からずに単なるイラストを描けてお金がもらえる場所としか、見ることが出来なかったそんなMAさんにわたしはかける言葉はもうなかった。


せっかく18年間という永遠のループから抜け出せても、もうそのループの外ではMAさんは生きられなくなっていたのだ。


ある意味これは自然の摂理でもある。


例えば、海で生まれた魚を川や湖など、海水ではない淡水に入れるとどうなるか?

北極で生まれたシロクマをハワイの海に連れてくるとどうなるか?

南国で飼育されているバナナを、極寒の北海道で飼育するとどうなるか?

夏の暑い日に冷凍庫の中の氷を焼けた地面の上に置いておくとどうなるだろうか?


そう、魚は死ぬし、シロクマも死ぬだろう。
バナナも枯れてしまうし、氷は水になりやがて蒸気になるだろう。


つまり自然の摂理では、物事はそれに合った一定の環境でしか存在出来ない。


それは人間も同じだ。


一定の環境で生きてきた人はその環境でしか生きていけない。


ただ、人には適応力というものが備わっている。つまり、新しい環境に身を投じても、自らの適応力が高ければ新しい環境にも馴染むことが出来る。


しかし、この適応力というものは、一定の同じ環境に長く居続けると自然と失われていくのだ。


何十年も会社に勤めて定年退職したサラリーマンが会社を辞めた途端に、気が抜けたようになるのはこのためだ。


会社に勤めていないという、新しい環境には適応出来なくなってこのように気が抜けたのだ。


これはMAさんも同様だった。18年間というハンバーガーチェーンでの作業の繰り返しの日々がMAさんをその環境に定着させてしまい、いつの間にか、新しい環境での適応力が損なわれていった。


MAさんがsbccというMAさんにとって、新しい環境に入ろうとしても、馴染めずに他人や環境の文句ばかりを並べていたのはこの適応力が損なわれてしまったことが一つの原因でもある。


そしてもう一つは18年間の、ハンバーガーチェーンでの作業の繰り返しの日々がMAさんから【知性】【感受性】を奪った事で【反応性】でしか、生きられなくなってしまったことだ。


では、何故?いったいどうやって、18年間のハンバーガーチェーンでの作業の繰り返しの日々がMAさんから【知性】【感受性】を奪っていったのか?