価値観を共有できる仲間と一緒にCR003
価値観を共有できる仲間と一緒に
ここでの〝価値観〟とは主に仕事に対する価値観のこと。
sbccの活動を始めた頃にわたしが根底に置いていた価値観の一つに〝have toな事柄はやらないでwant toな事柄に集中する〟ということがある。
どういうことかというと、例えば、この仕事を受けると売上げを維持出来て、多少は生活が楽になるかも…というような案件があった時、チーム内でその案件をお金の為じゃなく、心からやりたい(want toな事柄)という想いでその案件に取り組めるメンバーがいなければ、その案件がどれだけお金になるとしてもその案件は受けないということだ。
それがあの頃わたしが持っていた価値観のひとつ〝have toな事柄はやらない、want toな事柄だけに集中する〟ということ。
心からやりたいと思えるwant toなことに集中することは…
もちろん、完全にその通りに進めて来たか?といえば、全くと言ってそんなことはなかった。 重要なクライアントから依頼されたあまり乗り気ではなかった仕事を、クライアントのために勉強のためにと思いながら取り組んで来た。
だけど…あの頃は、何かを我慢して耐えている時に身につけるスキルよりも、心からやりたいと思えるwant toの時に身につけられるスキルの方が何百倍も高い実力になる…そう考えていた。
昔から良く言う〝好きこそ物の上手なれ〟だ。
初めてイラストレーターのスキルを身につけた時は…
例えばわたしがイラストレーターのスキルを身につけた時のこと。
Adobe社の Illustratorという、ドロー系(ベクター系)グラフィックソフトの存在を知ったのはAdobe Illustrator8が初めて世に登場した頃だったと記憶している。当時、知り合いからAdobe Illustrator8のソフトを借りて、書店でAdobe Illustrator8のレッスンブックを買って、学習しようと考えていた。
だけど、1年が過ぎてもソフトをパソコンにインストールすらしなかった。 そうしている内に、Adobe Illustrator10が世に出てきた。
今度は、勤めていた会社の仕事で必要に迫られて重い腰を上げてAdobe Illustrator10をインストールして、ガイドブックを手に入れて取り組んでみた。
だけど、何度挑戦してみても全然操作出来ない。 ガイドブックを横に置いていろいろやっているんだけど、思うように操作が出来ない… 出来ないから面白くないと途中で投げ出してしまっていた。
Creative Avoidance(クリエイティブアボイダンス)〓創造的回避
いま思えばそれは強いhave to〓やらなければいけない事柄だったんだろう。 だから何とかして「やらなくてもいい理由」を作りあげていたのだ。
それから間もなくして、わたしはAdobe IllustratorCSを手に入れる事になるが、これもhave toだった為に、何とかやらないで済む方法を探してやらずに逃れた。
このやらないで済む方法を探す行為を、Creative Avoidance(クリエイティブアボイダンス)〓創造的回避というらしい。
つまり、やらなければいけない〓have toの時にそれを回避する為に、もの凄くクリエィティブに脳を使うということ。
会社や学校に行きたく無い時に“お腹が痛くなる”とか、“風邪気味になる”とか、不思議に行かなくてもいいような原因を作り出すというものだ。
そして、理想の自分に近づく時、現状のダメな自分が進化して理想の出来る自分に変わる時に、 その変化を受け入れられなくなって、このCreative Avoidance〓創造的回避が起こることもある。
何故なら、人間は現状維持で生きている生物だからだ。
4度目の正直
話を戻そう。
4度目にわたしがAdobe Illustratorに出会ったのはAdobe IllustratorCS4が世に出た時。
この頃は状況が一変していた。
これまで、Adobe Illustrator8、Adobe Illustrator10、そして、Adobe IllustratorCSと三度に渡るAdobe Illustratorの挫折経験があったので、さすがに抵抗があったが、Adobe IllustratorCS4はすんなり取り組んでマスターしていった。
まるで、過去の三度の失敗が嘘のように。
では、この時は心からやりたいと思える“want to”なことだったから取り組めたんだろうか?
う~ん、多分違う。
三度失敗したから次こそはと燃えていたんだろうか?
多分、違う。
では、何故?そんなにすんなりと取り組み、身につけられたのかというと、仲間が困っていたからだ。
一緒に活動している仲間が真剣に取り組んでいる姿を見て、彼らの助けになりたいと思ったから、技術をマスターしたというのがこの時、マスター出来た理由だ。
人間って自分自身のために何かに取り組むよりも、大切な誰かのために何かに取り組む方が何倍も何百倍も能力を発揮出来る素敵な生き物だ。