川村 みきをのメモ帳

日々のアウトプットをメモっています。

何故?その行為を行っているのか?そのゴールは?CR015

 

あなたの夢は何?

この10年、15年ほどで“ 夢 ”や“ ゴール ”についての話題が増え、自然と意識が向くようになった。

映画を見ていても、本を読んでいても、テレビ番組でさえ、“ 夢 ”や“ ゴール ”について言及しているシーンを数多く見てきた。

自身の“ 夢 ”を持っていないとまるで劣っているかのような意識さえ持ってしまう。それほど、“ 夢 ”や“ ゴール ”は大切なのだろうか?

 

夢やゴールの大切さ

 

“ 夢 ”というとどこかロマンチックな印象になるし、“ ゴール ”というと、何となく力強さを感じる。言葉の定義はいろいろあると思うが、要は目的があって物事を行っているか否かだ?

ただ、それだけのこと。

そして、目的無く物事を行うことは出来ない。何かの物事を行うということはそこに何らかの意図が働いているからだ。

それは、単なる気晴らしかもしれないし、時間つぶしかもしれない。それも目的だし意図だ。

 

ではここで言う、夢やゴールというのはなんなのか?

 

ここで言っている“ 夢 ”や“ ゴール ”というのは、気晴らしとか時間つぶしではなく、もっと大局的に物事を見て、人々に貢献出来る大きな目的をもって、事を成せ!ということに他ならない。

どういうことかというと、例えば誰かと一緒に旅に出るところを想像してほしい。

共に旅をする時に誰と行くかを判断する材料がその人の旅の目的

 

例えばあなたは、武田さんという人と松本さんという人と川村さんという人が知り合いにいるとする。

そして武田さんから「アメリカに旅に出るので、あなたも一緒に行きませんか?」とお誘いを受けた。

武田さんの旅の目的は…

あなたは何故?自分自身が誘われたのか分からないので意図を聞いてみると…

武田さんからは、

 

「一緒にアメリカに行っていただき、いろいろお手伝いしていただければ、アメリカに着いた時点から1時間ごとに950円をお支払いします。」 「そしてアメリカで一定期間お手伝いしていただければ、往復の交通費もお支払いします。」 「少し危険な地域にあるので安全は保障出来ませんが朝と夕食付き宿泊施設も用意します。」

 

と、言われたので『アメリカに行ってお手伝いすれば、1時間ごとに950円をもらえるなら』という動機で同意した。

アメリカに着いてあなたは武田さんから、コンテナの運搬から商品の検品など様々な用事を言いつけられる。やがて、ある程度片付いたら45分休憩を命じられ食事を取る事を指示される。

その後、翌日からの作業の流れを指示されて決まった宿泊施設へ案内され、翌日の朝の集合時間と集合場所を指示される。

尚、1時間ごとに950円を受け取れるのは作業が終わった時点までで、翌日の朝になれば繰り返し、武田さんの前に姿を見せて、武田さんの指示に従って身体を動かせば、1時間ごとに950円を受け取れる。

やがてコンテナの運搬の作業が終了したので、次は運び込んだコンテナを開けてその中にあったレンガを使って何かを造りだした。

何を造っているのかは特に聞かされていないので分からないが、朝から晩までずっとレンガを積んでいる。1時間ごとに950円を受け取りながら・・・

やがて半年が過ぎてレンガ積みが終わったら、次は積み上げたレンガに色を塗るように指示された。 塗る色も塗る場所も全て指示がある。

指示に従っていれば何も言われないが、指示からずれた事をすると武田さんから怒られた。 そして、疲れからかあまりにも指示からずれた事ばかりを繰り返してしまった・・・すると、ペナルティとして1時間ごとにもらえる金額を900円に下げられてしまった。

だけど、文句は言えなかった。

その訳は、他にも同じように指示されながらレンガを積み、色を塗っている人が大勢居て、文句を言うと直ぐに他の人と取り替えられてしまってすることが無くなるからだ。

そうなると何故かとても困ると考えるようになった。 理由は分からないが・・・。

 

松本さんの旅の目的は…

 

また、別の機会には知り合いの松本さんという人から同じように、「アメリカに旅に出るので、あなたも一緒に行きませんか?」と誘われた。

今度は「荷物を50個運ぶごとに3万円、レンガを200個積んだら5万円、色を200㎡塗ったら7万円」と言われた。 そして、「往復の交通費は自分で払ってください。」「泊まる場所や食事も何とかしてください。」と言われた。

多少不安も募ったが、報酬の額が魅力でアメリカ行きを決意した。 荷物を運ぶだけで3万円ももらえるなんて幸せだった。 レンガを200個積むのは意外と大変だったが、2日間はかからなかった。

「なんだ、楽勝じゃん!」と思ってレンガ積みをやっていたら、足を滑らせて転倒してしまった。

そして治療費や入院費でこれまで得た報酬のほとんどを使ってしまった上に、入院している間は1円も入って来なかった。

だけど、まだ『色塗り7万円』があると思い、怪我が治り現場に戻ってみると、レンガには見事に他の人によって色が塗られていた。そして、あなたはすることが無くなってしまった。

すると、松本さんから紙切れの束を渡されて、「この紙切れを売ってきていただければ1枚売れるごとに5千円支払います。」と言われて、入院費用や生活費の支払いがあったので紙切れを売り歩く事にした。

だけど、何の紙切れを売っているのか良く分からなかったのでその紙切れはあまり売れなかった。 その紙切れを見ると、[入館料1万5千円]と書いてあった。でも、何の入館料かは分からなかった。

川村さんの旅の目的は…

 

また、別の機会にあなたは知り合いの川村さんという人から同じように、「アメリカに旅に出るので、あなたも一緒に行きませんか?」と誘われた。

今度は具体的な条件は無かった。

ただ、川村さんからはこう言われた。

アメリカはニューヨークに新しく美術館を建てることにしました。」 「既に一度、ニューヨークには美術館を建てた事があり、建て方は分かるのですが、今の時代に合った新しいタイプの美術館を建てたいのです。」 「それで、あなたのお力を借りたいのですが、いかがでしょうか?」

そこで、あなたはこう質問した。

「どうして美術館を建てるのですか?、そして私は何をすればいいですか?」

川村さんは次のように答えた。

「この美術館に飾ってある絵を見た人はそこから人生が変わっていく美術館を造るのです。」 「そしてそんな人が増えていくことでこの美術館から世界を変えていくのです。」 「あなたにはそこに飾る絵を描いて欲しいのです。」

「ただ、まだ美術館は完成していませんが、美術館を造る材料のレンガは揃えてあります。」 「なので、一緒にレンガを運んでレンガを積み上げて美術館を造るのです。」 「そしてその過程を記録し、美術館完成までのドギュメントをフィルムに残して世界中の人々に観てもらうのです。」

「そのフィルムから共感を頂いた人々に美術館に足を運んでもらい、新しい価値観を知ってもらうのです。」

また、あなたは次のように質問した。

「理想は分かりました。素晴らしい事と思いますが私が受け取れるものはなんですか?」

すると、川村さんはこう答えた。

「まず報酬ですが、あなたを始めとする一緒に美術館を造っていく人達で、美術館に来ていただいた人達から得る報酬を分けていきます。」

「その報酬は一時的なものではありません。美術館を運営し続けていく限り、その美術館に価値を感じて足を運んでくださる方々がいらっしゃる限り、そしてあなたが絵を描いてくださる限り報酬は続いていきます。」と。

最後に川村さんはこう付け加えた。

「まだ現時点で美術館は完成していませんが、もし一緒にアメリカに行って美術館を造って、 そこにあなたはどんな絵を飾りますか?」

ゴールは描ける

 

この最後の質問の中にある、まだ出来ていない美術館に飾る絵こそゴールのイメージだ。

ゴールが現状維持の人は美術館に飾る絵は描けない。

だけどもし、あなたがご自身のゴールが現状を維持する事を望んでいないのであれば、あるいは、既に現状維持ではないゴールのイメージが描けていれば、まだ完成していない美術館に飾るあなたの絵はどんな絵なんだろうか?

ゴールは言葉以外のものでもいい。 言葉に出来ないならゴールは絵でも何でもいいのだ。 大切な事はゴールのイメージをちゃんと相手に伝えられるかどうかということ。

 

視点が違えば、得るものも違う

 

いろいろな見方や考え方があると思うが、あなたにお伝えしておきたいことがある。

それは、

【武田さんと行く、1時間950円もらえる旅】 【松本さんと行く、色塗りで7万円もらえる旅】 【川村さんと行く、世界を変える美術館創りの旅】

これらのどの旅が良くてどれが悪いかということを説きたいわけではないということ。 そしてもう一つ、この三つの旅のどれも受け取れるものと失うものがあるということ。

この事をお伝えしたい。

ちなみにわたし自身はこの三つの旅を経験した。 正確に言えば、先の三つの旅の要素が反映された仕事を経験した。

だから、メリットとデメリットが存在していることを理解している。

それぞれの旅で受け取れるものと失うもの

 

【1時間950円の旅】は、目先の僅かな金銭を受け取り現状を維持出来るが、自身の時間を売っているので大きな未来の展望は描けない。

【色塗り7万円の旅】は、自身の能力が高ければより高い報酬にありつけるが、ライバルも多く使い捨てにされるリスクと常に隣り合わせの落ち着かない日々を送ることになる。

【美術館創りの旅】は、世界を変えるかもしれない大きな役割を担えるが、目先の金銭を手にすることが難しい。

何が言いたいのかと言うと、どの旅を選択するのもあなたの自由だということ。

そして一つだけではなく、出来るなら複数選択してもそれは構わないということ。 時間を見つけてゆっくり考えてみてほしい。