川村 みきをのメモ帳

日々のアウトプットをメモっています。

一時の決意と継続CR021

これまでわたし達が受けたクレームのほとんど全てが「連絡が無い・遅い」というもの。

そしてクライアントはわたし達sbccのクリエイターのメール対応や電話対応が未熟であったためにとても悲しんでいたという事実。

この事を知ったあの日、わたし達sbccのクリエイターは全員が言葉を失っていた。 皆どこかで分かってはいたのだ。

このsbccが受けたクレームはそれぞれのコミュニケーション能力の未熟さが招いた事だという事を。

わたしはクライアントにも、クリエイターにも一方通行のコミュニケーションで接していた。

いちいち一人一人の話を聴いていられないし、クライアントは他にもたくさんいる。そしてクリエイターはコミュニケーションが苦手なものだという先入観があった。

実際、クライアントは次から次へと、新しく申し込みをしてきたし、クリエイターはピクシブなどネットで探せば幾らでも見つかった。

そして今回のこのsbccクレームの一件が起こり、こんなやり方では長続きしないということを悟った。

どれだけ制作のスキルがあっても、 どれだけ上手なイラストが描けても、 どれだけ綺麗なWebサイトが作れても、 どれだけ上手にモノが売れても、

人としてのレベルが低かったら、結果はマイナスだということをこの時に居たクリエイターのほぼ全員が実感していた。

これはわたし自身もこれまで、何十回と経験し実感してきた。

話のスキルが人より無かったから、話のスキルを身につけた。 これで話し方は上手になるが、人々が感動する話が出来るとは限らない。

セールスのスキルが人より無かったから、セールスのスキルを身につけた。 これでセールスは上手になるが、売った商品やサービスで人が幸せになるとは限らない。

サイト制作のスキルが人より無かったから、サイト制作のスキルを身につけた。 これでサイトが作れるが、人々が見て魅力的で幸せをもたらすウェブサイトを作れるとは限らない。

映像編集のスキルが人より無かったから、映像編集のスキルを身につけた。 これで映像編集が出来るが、観ている人々が魅了されて人生が変わる映像を作れるとは限らない。

お金儲けのスキルが人より無かったから、お金儲けのスキルを身につけた。 これでお金を手に入れる事が出来るが、儲けたお金で人々を幸せに出来るとは限らない。

つまり・・・・・・・・・

どれだけ『やり方』を身につけても、人としての『あり方』が出来ていなかったら、自身は幸せにはなれないし、人を幸せにすることなんてとても出来ない。

このsbccのクレームの一件で、自身の未熟さで関わる人達を不幸にした事に心が痛み、苦しみ、わたし達はこの事に向き合う機会を手に入れた。

そして決意した。

【約束は守る。】

人としての『あり方』の一番根底にある事が、他人とあるいはモノと交わした【約束】を守ること。

【約束】を軽んじる人は自身の存在を認められない人だ。

自身の存在を認められないから、他人の存在を認める事が出来ない。

だから他人と交わした【約束】の重みを感じる感受性を持てない。

こうして本気の活動が始まった。

そしてこれまでの方法を一掃して、sbccを通して『モノを創る』という事に真剣に向き合った。

そしてすぐに気づいた事がある。

それは、わたしを始めクリエイターのほぼ全員が自分の事しか考えていなかったという事に。

「自分自身がどうやったら制作の仕事でちゃんと飯が食えるようになるか?」

みんながそんなことばかりを考えていた。 そしてそんな利己的な思考でみんな自分勝手にやっていた。

だから、クライアントや他のクリエイターともちゃんとコミュニケーションが取れなかった。

みんなが利己的な思考でモノを考えるから、チームが上手く動かなかった。

そしてその結果、クライアントを悲しませることになる。

心の中心に利己的な考えがあるから、起こった出来事に一時は反省して決意しても、時間が経てばまたすぐ元に戻ってしまう。

みんなその事が怖かった。

せっかくのこんな絶好の成長の機会に巡り合ったのだから人として向上出来ればクリエイターとしてのレベルが上がりいい作品が生まれる事を無意識で知っていた。

だから成長しないと・・・という焦燥感があった。

だけど利己的思考が邪魔をした。 そして残ったクリエイターで、それぞれのゴールを見直してみて驚いた。

そのほとんどが表現が多少違っても、「フリーランスとして飯が食えるようになる」といったものだったのだ。

わたし自身も『日本の価値あるモノを次世代へ残す』というゴールを抱いているが、その実はその為に売上げを上げるといったとても利己的な表現を使っていた。

そしてこの時点ではsbccのクリエイターは誰も、自身が満足いく仕事は出来ていなかった。 それでも、支持して待ってくれているクライアントが居た。

この矛盾にわたし達はとても苦しんだ。

クリエイターでありながら、自分自身がフリーで飯を食えるようになることを第一に考える利己的思考を持ち、【約束】を守れない人として低いレベル。

このままそんな自分自身から目を背けるか、それともこの機会にちゃんと向き合っていくか?

そんな葛藤があった。

ただ、既に決めたことがある。それは、人のあり方として最低の次元。

それが、【約束は守る】だ。

このレベルが実行出来ないと、確実に自身の存在価値を見失ってしまう。これだけは絶対に避けたい。

だから、どんなに忙しくても、 体調が優れなくても・・・ 気分が乗らなくても・・・ 他の用事が忙しくても・・・

【約束は守らなければならない】

この時はそうやって命がけでやっていく事なんだと思っていたが後になって全く別の考え方がある事に気づいた。

それは、【約束は守る】ということそれ自体は、揺るぎない人の存在価値を示す指針には変わりないが、 そんなに自分自身にhave toな使命や重責を課すことはしなくても全く違った方法で、結果は更に高いレベルに到達出来るということを知った。