川村 みきをのメモ帳

日々のアウトプットをメモっています。

才能活かせる世界CR059

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「夢みたいなことばかり言ってないで
もっと現実を見たほうがいいわよ。」


これがMAさんの口癖だ。

捉え方にもよるが、わたしもこの意見には
鬼激しく賛同出来る。

「いつか私もフリーのデザイナーや
イラストレーターになって、
いろいろなホームページのデザインや
雑誌の挿絵を担当するようになるんだ。」

そう言ってフリーターや会社員をやりつつ
個展を開いたりイベントに出たりしながら
夢をつないでいる人が何かのキッカケで
sbccの制作チームに参加してきた。

2009年からのこの4年間でわたしは何人も
何十人もそんな人達に出会ってきた。

そして実際にsbccで何度か仕事をした
クリエイターは、ほぼ例外なく誰もが
自分自身の考えの甘さに気づく。


実際にフリーで活躍しているデザイナーや
イラストレーターの人の日常を見て、
そこには外から見た華やかさのかけらも
無く、泥臭く目の前の制作物に取り組む、
そんな姿があるだけのそんな現実を見て、
これまでの幻想が崩れていくという。


「PC一台とアドビのソフトがあったら、
自分の腕で飯が食っていける。」

これは事実だがそのレベルに辿り着くまで
の道のりは果てしなく遠い。


MAさんは18歳で秋田県から上京後22年間、
いつかフリーのイラストレーターとして
活躍するそんな日を夢見てきたからこそ、
自分自身に対する戒めも込めて言っている
んだと思う。


それはわたしも同じで、サラリーマンを続け
ながらいつか独立してPC一台で好きな場所
で好きな時に仕事が出来る夢見たいな生活
に憧れていた。


フリーランス」という言葉も甘美だった。


だけど、実際に2007年に勤めていた会社が
崩壊して一人でいろいろやってみて、
これまで抱いていた事が夢みたいな幻想
でしかなかった事に絶望した。甘すぎた。

まるで、チョコレートに蜂蜜をかけて、
その上に砂糖をふりかけてそれにたっぷり
生クリームを塗って食べるみたいに甘い、
甘すぎる。


現実を見て目が覚めてそれまでぼんやりと
抱いていた夢を簡単に諦めてしまう人が
多いのは、目が覚めたら忘れてしまうのが
夢の性質だからなんだろうな。


だから、

「夢みたいなことばかり言ってないで
もっと現実を見たほうがいいわよ。」

という意見は鬼、正しい。


ただ、これには続きがある。それは、

『現実の社会と現実の自身を見て、
いつか崩壊する現状維持ではない、
寝ても覚めても頭から離れないそんな、
自身のGOALを持つこと』だ。


では、GOALとは何か?

GOALとは、

『今のままの自分自身では到底辿り
着くことが出来ない場所にあるもの』

の事を言う。

つまり自分自身が何段階もアップグレード
しないと辿り着けない場所に置いてある
のがGOALだ。


その為には眠っている自身の才能を目覚め
させて磨いていく事の他にない。


sbccがスタートした2009年の初期の
sbccのクリエイター達はわたしを含め
その誰もが淡い夢を見て、自身の才能
も分からず、一言で言えば社会の末端で
生きていた。


正社員にもなれず派遣で働く者、

本当にやりたいことが見つからずに
悶々と日々を送っている者、

無計画にその日暮らしのアルバイトを
繰り返している者、

年老いた親の援助を受けながら暮らす者、

勤めていた会社が崩壊して仕方なく、
自分で事業もどきをやっていた者、
(これはわたしのことだ)


客観的に見るとそんなメンバー構成で、
sbccは始まった。その時、知り合いや
周りの人達から言われたことは、


「絶対、上手くいくわけがない。」


でも、わたしを始め他のメンバーにとっても、
現状の閉塞感をぶち壊すにはsbccをする
選択以外なかった。


たいした実績も経験もスキルも無いし、
ソフトも揃ってない、ちゃんとした仕事場
も、綺麗なオフィスも無い。

パソコンも持ってないメンバーもいた。


本当に無い無いづくしだった。


だけど、何にも無いそんなそんな状況で、
メンバー全員に唯一あったものそれが
『覚悟』だった。


『もう、このままぼんやりと幻想を抱いた
まま年老いていくだけなら死んだほうが、
まだマシだ。』

という強い『覚悟』だけがあった。


それがきっと奇跡をもたらしたんだろう。

そしてsbccという環境は何にも無い状態
でも自身の才能に気づき才能を活かせる、
そんな場所に仕上がった。

 

 

 

 

to be continued