川村 みきをのメモ帳

日々のアウトプットをメモっています。

矛盾と情動CR054

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・独立起業する方法も知らない、お金も無いし専門知識もノウハウもない。

スティーブ・ジョブズと自身を重ねるなんてとても出来ない。

・26歳までアルバイトしかして来なかった私に出来ることなんて何もない。

・夢みたいな事ばかり言って、人の気持ちをかき乱さないでほしい。

・社会のシステムのお話なんて聞きたくない、私が聞きたいのは名刺の制作のお仕事のお話。

・納期はいつ?ギャラは幾ら?


と、言ってきた天野さんにわたしが返した内容はこうだ。


天野さんのおっしゃっている事は、実に矛盾だらけですね。


例えば天野さんがレストランを経営されていらっしゃるとします、そこにわたしがお客として来店しました。

そしてオーナーでコックとウェイトレスを兼任されている天野さんに向かって、こう語りかけたとします。


「レストランを経営されていらっしゃるのですね、素敵ですね。わたしはずっと会社員としてホテルのレストランで勤めていたのですが、なかなか自分が思う料理は作らせてもらえなかったです。」

「一度、先輩の作った料理の味付けがちと濃くてくどかったので助言をしたら、そこからずっと皿洗いばかりをさせられて気づいたら10年が経ってしまいました。」

「おかげで料理の世界に入った頃に創りたいと思った料理を今になって創ろうとしても、やり方を忘れてしまってるし、新しい、良い発想が出てこないのです。」

「まいりましたよ。当時は個性的で素敵な料理を想い描いていたのですが、今ではそれが何だったのかすっかり忘れました」


「わたしの知り合いにも多くいますよ、下積みだといって料亭とかに入って、10年も20年も料理とはあまり関係ない作業ばかりをして本来の個性を完全に失ってしまった人が何人も。」

「やっぱり日本の料理の世界は厳しいですね、独創的な料理ではなく、平均的で先輩や親方の言うとおりの料理を作ることが求められてしまう。」


と話したら、


「そんなこと言ったって私はレストランを開く方法も知らないし専門知識もノウハウも持っていません。」

「有名レストランの一流シェフと私自身を重ねるなんて出来ないです。」

「わたしさんはホテルのレストランで勤務された経験がおありでしょうけど、私は26歳の今までファミレスのホールスタッフをやっていたのですよ。馬鹿にしないでください。」

「夢みたいな事ばかり言わないでください。せっかく今のファミレスでのホールスタッフを思考停止状態で出来るようになったのにまたいろいろ思い描いてしまうじゃないですか!」

「私はわたしさんに私がこれから作る料理を提供しようとしているだけですよ、なんでそんな思い出話に付き合わなきゃいけないんですか」

「そんなお話はどうでもいいですから、早くオーダーする料理を決めてください。料理の代金はちゃんと払ってもらえるんでしょうね?」


そんな風に返されたらどう思いますか?
実に矛盾だらけだと思いませんか?


天野さんのレストランの表に、料理の写真が幾つか飾ってあったのでわたしはお店に入ったのです。

そこでわたし自身の体験談を交えて、そのお店のオーナーさんとお話をしたらこんな風に返されたわたしの気持ちはどう受けとめますか?


「レストランを開く方法が分からない」


と言っている人が開いているレストランに入ったのですよ。
矛盾だらけではありませんか?


これからわたしは天野さんがお作りになった料理をお金を払っていただこうとしているわけですよ。
どんな人が作った料理なのか知りたい、もし美味しかったら今後も通い続けたい、だからコミュニケーションを取ろうとして何か問題でもあるのですか?


メニューはどこですか?
料金はどこに書いてあるのですか?


そもそも、わたしが今どんな感情でどんな料理を食べたいと思っているのか貴方には分かっていますか?

貴方が作れる料理や作りたい料理を適当に作って提供されてもそれをわたしが気に入るとは限らないでしょう。


もっとも、わたしも貴方がどんな料理を提供してくれる人なのか?知らないので、メニューも料金表も無いこのレストランで何かをいただくということは大冒険なんですよ。

もし、不味かったらどうしよう。
不味いものでお腹をいっぱいにしたくない、不味いものにお金を支払うのは嫌だ。


というのが普通の人の感情でしょう。


それでもわたしは席を立たずにこうして、いろいろコミュニケーションをとって、何とか天野さんが作ってくださる料理を食べて満足しようとオーナーでコックでウェイトレスである貴方にいろいろ聞いているのです。

そしていろいろ考えたいのです。
どんな料理を提供されるのだろうか?
それは何分あるいは何時間待てばいいか?
どんな材料を使っているのだろうか?

お金を支払う価値はあるのだろうか?

食べ物というのはわたしの腹の中に入る大切なものなんですよ。
その材料がどこから来て、どんな人がどんな方法で調理されているか?
知りたいと思う心は間違っていますか?


その答えが「さっさと注文してお金を払ってください。」


ではわたしは悲しくなります。



あなたはどう思うだろうか?


もし、あなたがそんなレストランのお客さんになったらどうするだろうか?